25ansや、家庭画報からフランスや美術関係のセミナー及び寄稿を依頼されます。
その原稿を書くためにカフェをよく使います。
私は翌日の「プライベートランチ」の挨拶文を考えるため夕方、駅前のカフェに入りました。
そこでは、誠実そうな若い男の人が注文を取りに来ました。
「コーヒーを頼みます。」少し長くいるので、夕食前でしたがチーズケーキも頼みました。
翌日の原稿を書き終えます。
レジで支払いを済ませました。
お財布におつりをしまい、バックに入れます。
出口の方を見ると、先ほどの青年がドアを開けてくれています。
『ここのカフェはお茶とケーキだけでもドアも開けてくれるんだ』と思いました。
そして、ありがとうと言って外へ出るや否や、その青年が話しかけてきました。
「もしかしたら、中根公園の前に住んでいる方ではありませんか?」
「はい、そうですが」と私。
「僕は小学生の時、あのうちのサロンコンサートに先生に連れられて、
参加させていただきました。今もそのときの夢のような楽しさが心に残っています。
一言お礼が言いたくて・・・僕は今ここで働き始めました。またいらしてください」
「それはそれは」と私。
「ええ、また来ます」と言うのが精一杯でした。
3月20日過ぎても今年はまだ寒い。
左手で襟元をあわせ押さえながら暗くなった道を歩きます。
心がなんだかあたたかくなっている。
胸が熱くなっている。
あぁ、よかった。ほんとによかった。
私もお礼を言わなくては
「サロンコンサートが出来ているのも協会の会員様のおかげですもの」
「ありがとう」
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