2009年12月27日日曜日

パリからの便り

【寄稿:ピアニスト 直子・ルプランス】
オーストリア、ザルツブルクのモーツアルテウム音楽院にピアノソロと室内楽のディプロムを1等賞で取得、フランス国立リヨン音楽高等学校にて、伴奏法を1等賞で取得。現在、フランス人の夫、2007年生まれの娘と共にパリに住み、音楽活動を行っています。 ちなみに、苗字のル・プランス(LE PRINCE)はフランス語で「王子」という意味で、 結婚した当初は(今は慣れましたが・・)この名前が、とても恥ずかしかったものです・・。

12月を迎え、パリは街中がノエル(クリスマス)の飾りつけで華やいでいます。
あちこちにマルシェ・ド・ノエルと呼ばれるクリスマス市場が立ち、屋台で売られるヴァン・ショ(スパイス入りのホットワイン)を片手にノエルの贈り物を物色する人々でにぎわいます。

フランスでのノエルは、日本だとお正月のような趣があります。
だいたい24日を目指して(中には25日に間に合うように・・という人もいます)多くの人々が家族のもとへ帰省します。高速道路は渋滞し、パリの遠距離の始発点となっている駅には人が押し寄せます。まさに帰省ラッシュですね。

そして、24日のクリスマスミサのあとで家族で食卓を囲みます。
特別な食器を使い、その日のために美味しい手料理を用意します。

私たちは、いつも夫の実家のブルターニュ地方のレンヌに帰省しますから、ノエルの食卓には必ず!ブルターニュの美味しい牡蠣が並びます。
そして土地で育てたフォワグラ。フォワグラはトーストと呼ばれる小さいパンの上に乗せ、イチジクのジャムと一緒に頂きます。つきないおしゃべりと共に、夜中過ぎまで食べて食べての団欒が続きます。
デザートのビュッシュとシャンパンのあたりでやっとプレゼント交換をするのです。

普段は家族と離れて暮らす若いフランス人も、この日ばかりは家族と一緒に過ごします。
いつもいつも一緒に過ごさなくても、連絡を少々怠っていても、ノエルを共に過ごすことで家族の絆を結びなおすフランス人。
そして、帰省が近づく今のパリ。

とっても寒い季節ですが、人々の顔がいつもよりも優しく、ほころんで見えます。

そして私も、遠い日本にいる家族を思います。今年は何かとっておきのプレゼントを贈ろうかしらと考えています。












写真:クリスマスイヴにレンヌにて、家路を急ぐ4人家族。ご両親の被ったサンタの帽子が、この後の楽しいフェットを想像させます。

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